
就活、婚活、転活、妊活……
世の中はいろいろな○○活動であふれているけれど、婚活ほど運要素が強い活動はないと思う。
たった1人の結婚相手を見つけるためにひたすらガチャを回し続けるような活動だ。
これは20代の平均的な女性である私が結婚を目指して奮闘する物語である。
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前回までの話
焼き鳥専門店に入り、福山さんが親子丼、私が焼き鳥重を頼んだ。
「ぺぶりぃなさんって写真と感じが違いますね。写真はなんか堂々とした感じだから…」
それはつまり写真と違いすぎるということだろうか?
あの写真は加工などは一切していないのだが、プロの手により実物以上に綺麗に撮れてしまった奇跡の一枚なのだ。
初対面の人に面と向かって言われるとよっぽどなのかと落ち込んだ。
「あははは、そうですよね。あれはプロに撮ってもらった写真で実物以上に撮れてしまったなって自分でも思ってるんですよ。」
「そうなんですか。僕の写真もプロに撮ってもらったんですよ。」
「あの1枚目に載ってるやつですか?屋外で撮影された写真ですよね?」
「友達にプロのカメラマンがいてその人に撮ってもらったんです。」
「あの写真とても素敵ですよね〜。とても爽やかに写ってらっしゃいますよね。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「5枚目に海の写真があったじゃないですか。あれはどこの海なんですか?すごく綺麗ですよね。」
「僕趣味がスキューバダイビングなんですけど、パラオにスキューバダイビングに行った時に撮ったんですよ。」
パラオ!
スキューバダイビング!!
社会人になってから〇年経つが、私が旅行に行ったのは片手で数えられる程度。(しかも国内旅行のみ。)
休みの日は「疲れた〜疲れた〜」と言って家に引き篭もり、パジャマでごろごろしていることがほとんどである。
休暇を取って、海外に行って、スキューバダイビングと聞いただけでぐったりしてきた。
稼げる人って何でこうもアクティブに生きているんだろう?
それともアクティブで生命力に溢れているから稼げるようになるのだろうか?
誰か因果関係を教えてほしい。
そしてこんな性分だから私は大して稼ぎがないんだな、と悲しい事実に気がついてしまった。
福山さんはその他にもよく海外旅行に行っているみたいだったし、休日にはキャンプに行ったり、ゴルフに行ったり、ボルダリングをしたり、学生時代はずっと野球をやっていたりと私とは違う星からやってきたような人だった。
話を聞けば聞くほど私はこの人とそんなに合わないんじゃないだろうかという気持ちがむくむくとわいてきた。
条件は最高だけど、一緒にいるだけで疲れそう。
福山さんだって私みたいな超絶インドア人間嫌だろうし。
そんなことを考えているうちに、福山さんが頼んだ親子丼が先にきた。
「わぁ、美味しそう。冷めないうちに先食べてください。」
「ありがとうございます。」
「そういえばぺぶりぃなさんってQ県出身なんですよね。Q県のどのあたりなんですか?」
「西の方です。W県よりなんですよね。▲▲って所の出身です。」
この後、福山さんから衝撃発言が飛び出すのだが、それはまた次のお話。
そして私の焼鳥重はいまいずこ?
早くしないと福山さん食べ終わっちゃうんですけど…!
つづく
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